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あなたは「柔軟」ですか、それとも「ぶれて」いませんか?

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言葉というのは、その定義や解釈が異なると、同じ言葉でも
人によって違って受け取られることがあります。

私にとってみれば、「柔軟であること」という言葉で、困惑
した覚えがあります。

 

それは、かって、投資ファンドからの依頼である企業の事業
再生に携わった時のことです。

 

投資先のこの会社の経営方針に関して、株主であるファンド
と経営陣との意見が対立し、修復不可能な関係に陥ったため、
ファンドが経営陣の交代を決定しました。

新任の社長と私の二人がが、新経営陣としてこの会社に乗り
込むことになりました。

 

新経営チームでの運営にあたっては、社長と私、ファンドの
三者で毎朝打ち合わせを行い、その日の実施事項や注意点
などを綿密に確認していました。

いわば、チーム体制で経営に当たっていたわけです。

 

しかし、その社長というのが、早朝に打ち合わせで決めた
ことを行っていないことが、次の日になって判明するとい
うことがよくありました。


「決めたことなのにどうしてやらなかったのですか」と
尋ねると、


「いや、それは私の方で状況を見てやらなくても良いと
 判断したからだ。柔軟に対応した結果だ」という答えが
返ってきました。

 

たしかに、事前に窺い知れない事があるのかもしれないと
見過ごしていましたが、それが度重なってきて「大丈夫か」
という雰囲気が漂い始めました。

 

そんな折、前の経営陣の一人から社長に「会社に戻りたい。
その件について社長と直談判したい」という申し出があり
ました。

ファンドとしては、方針の違いから退任してもらった訳で、
この段階でその申し出を受け入れることは、組織の運営方針
の根幹に関わるなので受け入れられないという見解でした。

私もその方針は賛成していました。

 

社長にはその元取締役にその決定を伝えてもらうことを依頼
して、社長も了承した上で、面談に臨んでもらいました。


翌日、面談の結果を聞くと驚くべき事態になっていました。


社長は、「膝つき合わせて話してみたら、非常にいい人だし、
会社に対する熱意を感じた。顧問として受け入れることに
した」と言ったのです。


ファンドも私も、「それはあり得ない」と言ったのですが、
社長からは「いや、柔軟に対応しての判断だ。私が責任を負う
ので任せて欲しい」との一点張りです。

 

「柔軟である」の対局に、「ぶれる」という言葉があります。

まさに社長は「ぶれていた」のです。


この違いはどこから来るかというと、ある行動を起こすとき
には、なぜその行動を起こすのかという「目的」があります。

もし、予定されていた行動を変更するのであれば、その変更
後の行動が当初の目的に合致しているかどうかで、変更すべ
きかどうかが判断されます。

 

この取締役の一件で言えば、「前取締役の新組織への取り込
みは、経営運営の攪乱要素となり、経営の安定化を阻害する
ので認められない」という大原則(目的)があるので、どん
なに人柄が良く、熱意があっても採用はあり得ないと言えま
す。

この点を理解していないと、「柔軟に」判断した訳ではなく、
「ぶれてしまった」と言わざるを得ません。

 

これは、管理職の方が自分の部署を運営する際にも当てはま
ります。

部下が作業をしようとする際に、常に上司であるあなたにどう
すべきか伺いを立てたら、どうなるでしょうか。

作業のスピードがガクンと落ちてしまいますよね。

 

そのような事態を避けるためには、部下にどの範囲内であれ
ば自分で判断・創意工夫して行動していいかを予め示して
おくことです。

その範囲内であれば、仮に失敗しても、それは担当の責任で
はなく、組織を運営しているあなたが負うべきものです。

 

先の取締役の採用の後日談ですが、社長のごり押しでその
元取締役は顧問として迎え入れられました。

しかし、具体的に何をしてもらうのかを社長で決めていな
かったため、その顧問は責任はないが昔のように振る舞い
だしてしまい、組織が混乱してしまいました。

社長もそのようになるとは想定していませんでしたが、
あまりの状況のひどさに、結局、採用からわずか三ヶ月で
退任してもらうことになりました。

 

あなたは「柔軟」ですか、それとも「ぶれて」いますせんか?