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始める前に知っておくべき、業務改善プロジェクトのキモとは

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先日、知り合いから「あるコンサルティング会社がBPRプロ
ジェクトに取り組んでいるのだが、人手が足りず困っている
ようので相談に乗って欲しい」という話がありました。

BPRというのはBusiness Processs Reenginneringの略で、
業務の進め方やルールなどを抜本的に見直して、ムダやムラ
を取り除いて効率的にしていく経営手法のことです。

 

早速のそのコンサルティング会社のプロジェクトの責任者に
会いました。

 

そのプロジェクトは、あるオーナー系の企業から受注した
ものです。

オーナーは、現在の経営状況に危機感を募らせ、全社的な改革
の取り組みを始めたそうで、BPRはその目玉と位置づけられて
いるそうです。

しかし、社員は現業を回すのが手一杯で、BPRプロジェクトに
時間が割けず、そのコンサルティング会社に作業を丸投げされ
てしまい、人手が足りなくなってしまいました。

 

プロジェクトの背景はよく理解できたのですが、プロジェクト
責任者とのやりとりを進めていく中で腑に落ちない点が出て
きたのです。

 

私:この業務効率化のプロジェクトでどのくらいの効果を目指しているのですか。例えば、事務処理にかかるコストを何割削減するとか、工数を何割カットするとか?

プロジェクト責任者:特に決めていないんですよ

私:クライアントのトップからは、プロジェクトが完了したときのイメージといったものは確認しているのですか?

プロジェクト責任者:それも特になくて、とりあえず、今年の終わりまでに何かできればいいという感じなんですけどね

 

次に話がこのプロジェクトを社内でどう通知したかという話に
なりました。

 

プロジェクト責任者:先日、プロジェクトについて社内で通知したが、社員がリストラだと誤解してしまって、否定するのが大変でしたよ

私:…

 

この一連のやりとりを受けて、私は「このプロジェクトはうまく
行かないかもしれない」との危惧を抱きました。

というのは、特に今回のような業務改善プロジェクトでは、押さ
えておくべきポイントがあります。

それは、「目的が明確になっていない」「定量的な目標が設定さ
れていない」「社員に正しいメッセージが伝えてられていない」
「社員の巻き込みが図られていない」
という点です。

 

目的が明確になっていない

そもそも、今回取り組もうとしている業務改善というのは、何の
ために実施するのか、会社として何を目材しているのかという
目的がないと、社員の間で「効率化=人減らし」という図式が
作られてしまいます。

例えば、「会社として新たな事業を立ち上げたいので、その要員を
外部からではなく内部から確保するために、現状の業務を抜本的に
見直す」とか、「現在、○○日でお客様に商品を届けているが、
これを△△日と業界トップレベルにまで短縮して、顧客満足度を
向上させ、競合との差別化を図る」といった目的が必要です。

 

定量的な目標が設定されていない

プロジェクトとは「期間が決められた取り組み」と定義されますが、
プロジェクトが終了した時に成功したかをどうかを判定する基準が
必要です。

そのような目標もなく、なし崩し的に始めてしまうと、改善施策を
考えるときでも「まあ、このくらいでいいんじゃない」と安易な
妥協案が出されることが想定されます。

この点から、プロジェクトにとって定量的な目標値は絶対に必要と
されます。

 

どのような目標がよいかを判断する尺度として、「SMART」とい
うのがあります。つまり、目標というのは、

  • Specific(具体的である)
  • Measurable(測定可能である)
  • Achievable(達成可能である)
  • Related(経営目標に関連している)
  • Time-bound(いつまでに達成するか時間制約がある)

の五つの要素が必要で、この五つの頭文字をとってSMARTと呼んで
います。

 

社員に正しいメッセージが伝えられていない

これはプロジェクトを始める時だけではなく、途中の経過も正しく
伝えることで、社員のプロジェクトに対する関心度を維持するため
に行います。

このときにメッセージを発するのは、トップの社長が行うと、
「これは全社を挙げた取り組みである」というメッセージが伝わる
ので、望ましいと言えます。

 

社員の巻き込みが図られていない

実際に日々の業務を行っているのは、コンサルタントではなく、
現場の社員です。

目の前の業務で忙殺されているから、全てをコンサルタントに丸投
げするのは、ある意味自分たちの将来を自分たちで作らないと言っ
ているのに等しいことです。

コンサルタントは、プロジェクト期間中の関係部署からの情報収集
で業務についての理解はありますし、他の業界での同様の取り組み
の経験もありますが、現場の社員に比べれば理解度の深さには限界
があります。

そんな状況でコンサルタントから改善策を出されても、現場の社員
は自分事だと思えないので(当事者意識が低く)、実際に改善策を
導入する段階になって「これでは業務が回らない」と苦情を呈する
ことがよくあります。