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【書評】「経営の見える化」

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  • 書籍名:「経営の見える化」
  • 著者名:小山昇

 

著者の小山昇氏は、ダスキンのフランチャイズ事業を行う
株式会社武蔵野の代表取締役社長を勤める傍ら、700社以上
の中小企業に対して経営指導を行っています。

 

この著書は、小山氏が中小企業の社長に対して、社長とは
どうあるべきかを説いた一冊になります。

 

ご自身が社長をされている方はもちろんのこと、社長でなく
ても「社長というのは何を考えているのか」その頭の中が
のぞき込めるような内容になっています。

 

著者は、社長が目を光らせるべきことを次の八つだと述べ
ています。

  1. 経営方針の決定
  2. 財務の見える化
  3. 収益管理
  4. 市場開拓(マーケティング、新規事業)
  5. 社内コミュニケーション
  6. クレーム処理
  7. 情報管理
  8. 人事評価

 

1. 経営方針の決定

ここでは、経営計画の重要性について述べています。

 

経営計画というのは、自分の会社の現状(実力値)を正
しく理解した上で、それと「お客様の価値観」がどのく
らい違っているのかをするために作ります。

 

このように経営計画では、自分の会社の「できること」
や「やりたいこと」を「見える化」することになります
が、これは同時に「やらないこと」を明確にすることも
意味しています。

 

こうすることで、社長の軸がブレなくなります。

 

さらに著者は、策定された経営計画を発表する「経営計
画発表会」を「社長の独断場」にし、社員からの質問を
一切受け付けないことを奨めています。

 

その理由は、経営計画の方針を実行するのは社員の責任
ですが、「利益責任」を取るのは社長だからです。「経
営計画書」には、この点を明確にしておく必要があります。

 

2. 財務の見える化

あくまでもここでの主眼を銀行の信頼を得ることに置い
ています。

 

つまり、貸借対照表で資産の部の勘定科目の上位科目を
増やし、負債および純資産の部の勘定科目の下位科目を
増やすことで、総額は同じでも「資産や負債の重点を移
し」、財務の健全化を図るべきと説いています。

 

言い換えれば、現金化しやすい資産を増やすことと、長
期借入金など簡単に資金調達できない負債を増やして信
用力を高めることです。

 

3. 収益管理

「売上」から「売上原価」を差し引いた粗利益が会社の
実力を決めると言っています。

 

4. 市場開拓

これは、マーケティングと新規事業から構成されます。

 

市場を見る際に、平均でなく、もっとも多く分布している
「最頻値」で判断すれば、マーケットの中の最も購買力が
高い層、つまり「ターゲット」が見えるようになります。

 

また、将来の対策を講じる際には、単に数字の増減を見る
のではなく、「先行する現象に気を配ること」に注目すれ
ば、自社が置かれている状況を客観的に判断できると言っ
ています。

 

新規事業については、三年で評価することを奨めています。
具体的には、

  • 一年目では、直近前半の売上を下回っていないか
  • 二年目では前半の粗利益、営業利益を下回っていないか
  • 三年目では損益分岐点に達しているか、

と三年間でことなる視点から事業を評価します。

 

5. 社内コミュニケーション

コミュニケーションはとは、「もの」である「情報」と
「心」である「感情」の両方のやりとりを意識することが
大切です。

 

特に、社員の「心」に働きかける時には、便利なメールに
頼りがちになりますが、ここは一手間かけることで、その
思いが効果的に伝わります(例えば「手書きのカード」を
送る)。

 

また、コミュニケーションにおける頻度の重要性も強調し
ています。「半期に一時間」よりも「毎月10分を6回」の
方が良いとしています。

 

6. クレーム処理

お客様からのクレームは、業務をさらにレベルアップさせ
るための重要な情報なので、全社員で共有するが重要です。

 

また、よい情報は報告しなくても会社はつぶれませんが、
悪い情報が上がってこないと、会社の倒産につながるので、
仕組み化の重要性を強調しています。

 

7. 情報管理

著者が経営する武蔵野では、「経営計画書」に「情報マネ
ジメントに関する方針」を定めており、そこでは「五つの
情報」項目を共有化しています。

それは

  1. 実績報告(数字)
  2. お客さまからの声(褒められたことやクレーム)
  3. ライバル情報
  4. 本部・ビジネスパートナー情報
  5. 自分・スタッフの考え

の五つです。

 

また、部下を指導するときも、1対1にではなく、1対Nに
することで、他の人が「何が悪かったのか」について組織
としての知識が向上します。

 

叱るときは「人」(社員の人間性)ではなく「事」にする
から、人前で叱ることができると言っています。

 

人事評価

小山氏は、次のように述べています。

「人間は、他人に対しては客観的に評価できますが、『自分がどれほど成長しているのか』を客観的に評価できません。他人には厳しくても、自分に対してはファジーになりがちなので、どうしても自己評価が甘くなってしまうのです。でも、それは普通。ですから、「自分の成長」を見える化するしくみが必要になります…「今までの自分」と「現在の自分の違い」を見える化することが、成長をうながす」

 

また、報酬に関しても明確にその役割を認識しています。

  • 「基本給」は、「過去の実績」に対して支払うもの
    なので、年功序列が正しい
  • 「手当」は「どういう仕事をしているか」によって
    増えていくもの
  • 「賞与」は「半期ごとの成果」に対して社長が支払
    うもの。なので、会社の業績が悪いと、「賞与」は
    出せない。このことを社員に教えていない社長が多い

 

賞罰についても、多くの会社は、「賞」だけが規定されて
いて、社員がミスをした時に「罰」がない点を指摘しています。

 

誰かがミスをしても「罰」がなく、責任が曖昧になるので、
社員のモチベーションが落ちてしまうのが問題です。

 

「正しいルール」が必要なのではなく、「ルールがある
こと」が必要と言っています。